「自分のやりたいことが分からない」と悩んでいる人に、「好きなことをやればいい」と言っても何も解決しないと思います。その好きなことが分からないから困っているわけです。
私も、仕事で心身ともにしんどくなったときに、「自分は一体何をしたいんだろう」とずっと考えていました。ITの仕事を続けるのか、まったく違う仕事をするのか。それどころか、そもそも会社員を続けたいのかもよく分かりませんでした。
結局、考えているだけでやりたいことが突然見つかったわけではありません。自分が何を嫌だと感じていたのかを整理して、気になったことを少し試してみて、最後はその時点で納得できる方を選びました。今回は、そのときに実際にやったことを書いてみます。
目次
1. まず、何が嫌だったのかを整理した
やりたいことを考える前に、私は当時の仕事で何が嫌だったのかを整理しました。
当時はSIerで人工知能やデータ分析の仕事をしていました。ただ、実際には分析に必要なデータがなかったり、何を解決したいのかがお客さんの中でも決まっていなかったりして、なかなか結果につながりませんでした。加えて、上司との関係や転勤も重なり、最終的には適応障害で休職しています。
その頃は「IT業界にはもう関わりたくない」と思っていましたが、少し休んでから考えると、ITそのものが嫌だったのか、当時の会社や仕事の進め方が嫌だったのか、自分でも区別できていないことに気づきました。
「何がしたいか」は分からなくても、「何が嫌だったか」なら、実際に起きたことを一つずつ振り返れます。私の場合は、まずそこを分けて考えたことで、仕事を全部嫌いになったわけではないと思えるようになりました。
2. 気になったことは少しだけ試してみた
当時は、ITよりも自然に関わる仕事の方が自分に合っているのではないかとも考えていました。農業や酪農、漁業などの一次産業に加えて、趣味だった自転車に関わる仕事も候補に入れていました。
実際、復職した頃には、家庭菜園にもならないくらいの小さな畑仕事を始めています。結局は数か月でやめましたが、やってみたからこそ、興味があることと仕事にしたいことは同じではないと分かりました。自転車についても、独立して何かサービスを作れないかと考えたことがあります。
どちらも最終的な仕事にはなりませんでした。それでも、頭の中で候補を並べているだけのときよりは、自分が本当に続けたいのかを考えやすくなったと思います。
大きく仕事を変えなくても、本を読む、実際にやっている人の話を聞く、休日に少し試すくらいならできます。やってみて違うと思ったら、その候補を外せるだけでも十分です。
3. やりたいことは途中で変わってもいい
会社を辞めた後は2か月ほど何もせずに過ごし、それから就職活動を再開しました。一次産業もかなり真面目に考えましたが、最終的には、それまで経験してきた人工知能や機械学習の仕事を別の会社で続けることにしました。
休職する直前に考えていたこととは、まったく違う結論です。ただ、最初の考えにこだわらず、少し落ち着いた時点でもう一度選び直してよかったと思っています。
今でも、やりたいことが一つに決まっているわけではありません。仕事として続けたいこと、趣味として楽しみたいこと、少し気になるだけのことがそれぞれあります。「これが自分のやりたいことだ」と一つに決めるより、その時点で気になるものを試しながら選び直していくくらいでいいのかなと思っています。
実際に仕事を辞めたときの話
ここまで色々と書きましたが、私自身、仕事を辞めて人生を一度リセットしようとした時期がありました。そのときのことは、人生をリセットしたいと思ったときに書いています。
退職を決めるまでにSIerでの仕事や自分の意志について考えていたことは、人生をSCRAP & BUILDだ!に残しています。
やりたいことが分からない、という悩みは一つの形をしていません。人によって詰まっている場所が違うので、近いものから読んでもらうのが早いと思います。
自分の希望より先に「こうあるべき」が浮かんでしまうなら、みんないつの間にか社会に縛られている?とサラリーマンという生き方が近いです。何を選びたいかより先に、何に縛られているかを見る話になります。
決めようとするたびに「これで合っているのか」と不安になるなら、答え合わせ人生から抜け出せないと正解を探すしか能のない人々です。正解があるという前提そのものを疑う話で、その先で結局動けなくなる問題は答えは歩いた後にしか見えないのに、なぜ動かない?に書きました。
そもそも自分に価値があると思えない、という段階で止まっているなら、順番としてはそちらが先です。親との関係から自己肯定感がどう作られたかは自分を肯定できない人間の生きづらさに、それが日常でどう効いてくるかは自己肯定感の欠如がもたらす日常の困難に書いています。
やりたいことを探す方向を変えてみる話もいくつかあります。欠点だと思っていたものが裏返しの願望だったという話が自分の欠点が実はやりたいことなのかもしれない、大げさな夢ではなく日常の中を探す話がやりたいことは日常の中にあるです。好き嫌いと得意不得意から仕事を整理していく手順は向いている仕事って何? ~前半~と向いている仕事って何? ~後半~に分けて書きました。
先が読めないこと自体が怖い、という話は不安定な人生に必要なことは何?と人生に保証なんて無いのに何に怖気づいてんの?にあります。実際に生活が短期間でひっくり返ったときの記録が人生が変わるときは一気に変わるです。
このほか、職場で「分かりません」と言えない状態について書いたものが知らないものは知らないと言ってみる、地元に帰っても居場所がないと感じた話が自分の居場所がない感覚、震災の経験が自分の人生観を作っていたのかもしれないという話が里山資本主義で振り返る人生観です。