Twitterで角度の計算に関する面白い現象(?)があったので、勝手に考察してみました。
※本当はリプライで済ませようかと思ったのですが、誤解なく書こうとするとかなり長くなりそうだったのでここに書きました。
まず、考察の前提とした条件は以下の2ツイートのみです。
https://twitter.com/amiami114114/status/1451869366950129668
こういうのは出来るので、角度が全くわからないわけではないんです。https://t.co/CCm6sSnrCE
— あみあみ (@amiami114114) October 23, 2021
※ここからは完全に推測の領域になるので、全然間違ったことを言っている可能性も十分にあり得ます。
まず、この生徒の頭の中では以下のようなパターンが存在しているんだろうなと思います。
「180 or 90」から「紙面上に存在する数字」を引くとxになる・・・①
便宜上、この後は以下の通りに呼称します。
- 「180 or 90」の部分を「①前半」と呼ぶ
- 「紙面上に存在する数字」の部分を「①後半」と呼ぶ
そして、おそらくですが、
- この生徒は角度の概念は理解していない
- 180 or 90の問題ができるのは、極端なパターン化による機械的な処理が行われているから
という状況なのかなと推測します。
180°/90°の問題の場合
まずこちらの内容から180度、90度という数値自体が生徒の中に存在することは間違いないと思います。なぜなら、問題上に180、90という数字が書かれてはいないから。
角度の概念が身に付いてないんでしょうかね?
下の図のような、180°や90°から引き算すればよい問題は何問やってもすんなり出来たんですよ。ところが180°や90°が出てこない図だと出来ないんです。その子の「見え方」はどうなっているのか?って感じです。 pic.twitter.com/X7U3Zv7Zrd— あみあみ (@amiami114114) October 23, 2021
ただ、180度、90度という概念(すなわち角度の概念)を理解しているかどうかは不明です。おそらく一番冒頭のツイートにあるように「35-30」という計算をしてしまうということは、角度の概念は理解していない可能性が高いと推測されます(というより理解していたら角度の計算で躓くことはあまりないんじゃないかなと思います…)
となると、生徒の頭の中では角度の概念を用いて「これは180度」「これは90度」という判断をしているのではなく、「図形的に」180なのか90なのかを判断しているのではないかと言える気がします(他の可能性もあるかもしれませんが)
すなわち、
- 図の中で(私たちが180度と考えている)水平線が存在している場合は、①前半は180を選択する
- 図の中で(私たちが90度と考えている)直角が存在している場合は、①前半は90を選択する
という処理が生徒の中で行われているのではないかと想像します。繰り返しますが、ここで重要なのは180度や90度、すなわち角度の概念を理解している訳ではなく、あくまでも図形(=見た目)から判断して機械的に数値を選択しているだけなんだろうなということです。
そして、①前半の選択処理が終わると、①後半についてはそのまま「紙面上に存在している数字を当てはめているだけ」であるため150や30を選択して “結果的に” 正解が導けているのではないかと思います。
180°/90°以外の問題の場合
では、この場合はどうなっているのかを推測してみます。
まず前提の再確認ですが、生徒の頭の中では以下のようなパターンが存在していると推測しています。
「180 or 90」から「紙面上に存在する数字」を引くとxになる・・・①
そして、以下ではこの(1)の場合で考えていきます。
今日、数学苦手な中2にこんな感じの問題のxの大きさの求め方がわからないと言われた。(1)なら足すだけ、(2)なら引くだけというのがわからないらしい。
あの生徒には、図がどんなふうに見えているのかなあ?
どう説明したらわかってもらえるんだろう? pic.twitter.com/V5WsYYJmaD
— あみあみ (@amiami114114) October 23, 2021
まず生徒の中ですることは①前半の「180 or 90」の選択ですが、この”図形”の中に水平もしくは直角は存在していないので、生徒の中で180か90を選択することができません。
そうするとどうなるかというと、生徒の中では正しいとされている①のパターンを極力変えずにこの問題に適用しようとするのであれば、以下のように変換がされるのかなと推測しています。
「何かしらの数字」から「紙面上に存在する数字」を引くとxになる・・・②
こちらも便宜上、②前半、②後半と呼ぶことにします。
ちなみに、なぜ②前半部分をそもそも無くすのではなく、「何かしらの数字」に変更することになったかというと、「引き算を成り立たせるためには、前半部分に何かしらの数字がないとダメだから」というような動機かなと思います。
そしてこの②を用いると、まずは②前半については「何かしらの数字を入れればいいんだろうけど、何を入れるか分からないから一旦保留」ということになります。
次に②後半部分について、これは紙面上に存在している35 or 30が候補になりますが、どっちを入れるべきかは分かりません。ただここで「(角度を表しているとは認識していないが)何かしらの数字が2つある」という状況は認識できるはずです。
となるともうやることはシンプルで「②前半と②後半に35と30を当てはめればいいのかな?(どっちがどっちかは分からないけど)」という発想になるんじゃないかなと思います。
そして「30-35だとマイナスになってしまって何か変なことになるから、多分②前半が35で②後半が30なんじゃないか」という当てはめをして計算式を作っているのではないかなと思います。
疑問
ただ、こうなった時に若干の疑問点としては、じゃあ(2)の問題は(本人は理解していないがたまたま)解けるのではないかということです。ここまでの考察通りに進めると、生徒の中では「110-45」という回答が返ってくることになるはずだからです。
これについては生徒がどのように回答もしくは反応したのか情報がないため、ただの空想になってしまいますが、「(①のパターンには当てはまらないから)分からない」という反応になるのかなと思っています。もしくは「(①のパターンには当てはまらないから分からないけど、②に当てはめてみたらとりあえず引き算が成立するから)110-45」となる可能性もあるかなと思います。
感想
詳細は結局よく分からないですし、生徒本人のみぞ知るというか、本人すら分からないかもしれないですが、なぜこのような現象が見られたのか考え始めたら意外と楽しくなったのでツラツラっと考察してみました。