自分で決められない人に、仕事を任せにくくなる理由

仕事で判断に迷ったとき、上司へ相談すること自体は悪くありません。問題は、相談するたびに判断を全部返してもらう状態が続くことです。

「あの人に任せると、最後はこちらが決めることになる」と思われれば、任される範囲は広がりにくくなります。これは人格や勇気の話ではなく、仕事を前に進めるために、どこまで自分で判断して持ってこられるかという話です。

目次

  1. 相談と判断の丸投げは違う
  2. 任せにくいのは、仕事が止まるから
  3. 自分の案を一つ添えて相談する
  4. 取り返しのつく判断は自分で進める
  5. 上司が決めるべきこともある

1. 相談と判断の丸投げは違う

判断に必要な情報が足りないときや、自分に決定権がないときは、上司への相談が必要です。顧客との契約、予算、納期、組織の方針を担当者だけで決めることはできません。

一方で、「分かりません。どうすればいいですか」と問題をそのまま渡すと、上司は状況の整理から始めることになります。相談する側が何を調べ、どこまで考え、何に迷っているのかが見えないためです。

2. 任せにくいのは、仕事が止まるから

自分で決めないことを繰り返しても、それだけで降格するとまでは言えません。会社の評価制度や役割によって扱いは違います。

ただ、判断のたびに誰かの返事を待つ仕事は、そこで止まります。上司が不在なら進まず、似た問題が起きるたびに同じ確認が必要になります。その状態では、影響範囲の大きい仕事を任せにくくなるのは自然です。

任せる側が見ているのは、何でも一人で決める強さではありません。必要なところでは相談しつつ、自分で進められる範囲を前へ動かせるかどうかです。

3. 自分の案を一つ添えて相談する

相談するときは、完璧な答えを作る必要はありません。次の形まで整理できれば、判断の材料になります。

A案で進めたいと考えています。理由は〇〇です。△△が不明なので、ここだけ判断をお願いします。

この形なら、上司は案の良し悪しと不足している条件を返せます。案が間違っていても、どこで判断が分かれたかが分かるため、次の仕事に生かせます。

4. 取り返しのつく判断は自分で進める

すべての判断を同じ重さで扱うと、確認ばかり増えます。まず、失敗したときに戻せるかを考えます。

やり直しの小さい作業順序や調査方法なら、自分で選んで進め、定期報告で共有できます。費用が発生する、顧客への約束が変わる、他人の作業を大きく止めるといった判断は、先に確認した方が安全です。

この線引きは、仕事を渡す側とも合わせておく必要があります。自分だけで判断権限を広げる、という話ではありません。

5. 上司が決めるべきこともある

部下に自分で決めてほしいからといって、上司が方向性まで曖昧にしてよいわけではありません。目的、優先順位、期限、守るべき条件は、仕事を渡す側が示す必要があります。

そのうえで、担当者は自分の案と理由を持って相談する。上司は答えを全部渡すのではなく、どの条件を見て判断するかを返す。この往復ができれば、相談しながらでも自分で決めた経験を増やせます。

上司側がどこまで口を出すかという問題は、放任主義で休職した私が、今は部下への口出しで迷っているに分けて書いています。相談することをやめる必要はありません。答えを受け取りに行くのではなく、自分の判断を前へ進めるために相談することが大切です。