7年後に人生の答え合わせをしてみた

仕事を辞めるかどうかで迷っていた頃、私が一番知りたかったのは「この選択が何年か後にどう見えるのか」でした。とはいえ、そんなことは選んだ本人にしか分かりませんし、選んだ直後の本人にも分かりません。

あれから7年が経ちました。適応障害で休職して、一度復職して、次を決めないまま退職して、4か月の無職期間を挟んでAIベンチャーへ移りました。これだけ時間が経てば、当時の選択に丸かバツをつけられるんじゃないか。そう思ったので、今回は自分の人生の答え合わせを実際にやってみます。

以前答え合わせ人生から抜け出せないでは、正解を先に知りたがる生き方について書きました。今回はその逆で、すでに選んでしまった後の話です。

目次

  1. 答え合わせができるようになるまでには時間がかかる
  2. 一度復職したことの答え合わせ
  3. 次を決めずに辞めたことの答え合わせ
  4. 地元の大きな会社ではなくベンチャーを選んだことの答え合わせ
  5. 7年分の答え合わせをしてみて思うこと

1. 答え合わせができるようになるまでには時間がかかる

選んだ直後は、答え合わせのしようがありません。判断材料がまだ何も出ていないからです。退職を決めた当時の私も、不安がないわけではなかったものの、どちらかというと「もう辞めてやる」という反抗的な気持ちの方が強くて、良かったのかどうかを冷静に考える状態ではありませんでした。

結果が出るまでには時間がかかります。転職先が合っているかどうかも、入って数か月では分かりません。7年というのは長すぎる気もしますが、少なくとも「一時的にうまくいっただけ」という可能性はだいぶ減ります。今ならある程度の答え合わせができるだろうと思って、当時の分岐を三つ取り出してみました。

2. 一度復職したことの答え合わせ

休職の後、私は一度元の会社に復職しています。ところが、なぜか休職のきっかけになった上司の下へ戻ることになり、結局は数か月でまた働けなくなって退職しました。

結果だけを見れば、この選択は失敗です。同じ環境に戻れば同じことが起きる、という当たり前のことを確認しただけとも言えます。

ただ、これをバツと言い切れるかというと、そうでもありません。もしあのとき復職せずに辞めていたら、「あのまま戻っていれば続けられたのかもしれない」という考えがずっと残った気がします。実際に戻って駄目だったからこそ、この環境で働き続けるのは無理だと自分で納得できました。答えとしては間違いでしたが、確認としては必要だったんだろうと思います。

3. 次を決めずに辞めたことの答え合わせ

退職した時点で、次の勤務先は決まっていませんでした。無職の期間は4か月です。2か月ほどで就職活動は再開しましたが、その間の収入はありません。

このときにこたえたのは、口座の残高が露骨に減っていくことでした。派手に使わなくても、収入がなければ数字は毎月確実に減ります。あの減り方を眺めているときの怖さは、辞める前に想像していたものとは種類が違いました。家族から責められるようなことは特になかったので、単純にお金の問題です。

それでも、この選択には丸をつけます。あそこで一度切らなければ、たぶん私は何も変えられませんでした。ただしこれは、貯金があってどうにか4か月しのげたという条件つきの丸です。同じやり方を誰にでも勧められるかというと、それは別の話だと思っています。

4. 地元の大きな会社ではなくベンチャーを選んだことの答え合わせ

就職活動を再開した後、地元の比較的大きな企業とAIベンチャーの両方から声をかけてもらいました。待遇や安定だけを見れば、選ぶべきは前者だったはずです。

それでも私が地元企業を選ばなかったのは、仕事の内容がつまらなさそうに見えたからでした。もっと言えば、入った後の人生が見えてしまう感じがしたんですね。この先どう働いて、どのくらいの位置で終わるのかまで、何となく想像がついてしまった。

ベンチャーに入った後は、決まっていないことの多さにかなり苦労しました。それでも、自分の意思で物事を進められる範囲が明らかに広かったです。大きな組織だと、どうしても歯車の一つとして動くことになります。少なくとも私にとっては、自分で決めて進められることの方が大事でした。

7年経った今も、この判断は良かったと思っています。ここは迷いなく丸です。

5. 7年分の答え合わせをしてみて思うこと

やってみて分かったのは、思ったほどきれいに丸とバツがつかないということでした。復職のように、結果は失敗でも自分にとって必要だったものがあります。逆に丸をつけた選択にも、たまたま条件が揃っただけという部分が残ります。

もう一つ、答え合わせができるのは自分が選んだ道だけです。あのとき地元の企業に入っていたらどうなっていたのかは、7年経っても永久に分かりません。だから本当は「どちらが正解だったか」という比較はできていなくて、私がやっているのは「選んだ道が今どうなっているか」の確認でしかないわけです。

そう考えると、選ぶ前に正解を知る方法はやっぱりないんだと思います。それでも、7年前の自分に一つだけ伝えられることがあるとすれば、「今の場所で駄目だと分かったことは、それ自体が結果として残る」ということでしょうか。

当時の判断を選ぶ側から書いたものとしては正解を探すより“自分の答え”を作れがあります。休職から転職までに実際に何が起きたのかは、休職後に復職・退職・転職を経験して考えたことに順番に書いています。