アイデンティティの確立と生きる意味の再定義

「自分が何者なのか分からない」という悩みと、「何のために生きるのか分からない」という悩みは似ています。しかし、この二つを同時に解こうとすると、問いが大きくなりすぎます。

ここでいうアイデンティティは、自分がどんな人間だと捉えているかという話です。生きる意味は、自分の時間を何に使いたいかという話です。重なる部分はありますが、同じものではありません。

目次

  1. 「自分は何者か」と「何のために生きるか」を分ける
  2. 肩書だけでは自分を説明しきれない
  3. 変わらない自分を完成させる必要はない
  4. 生きる意味は今の条件で置き直せる

1. 「自分は何者か」と「何のために生きるか」を分ける

自分に自信が持てないとき、生きる意味を見つければ自分の価値も決まるように感じることがあります。けれど、大きな目的を持っても、自分をどう捉えるかという問題が自動的に解決するわけではありません。

反対に、自分の得意なことや大切にしたいことが少し分かっても、一生分の目的まで決める必要はありません。まず、どちらの問いで止まっているのかを分けます。

2. 肩書だけでは自分を説明しきれない

職種、勤務先、家族の中での役割などは、自分を説明する分かりやすい言葉です。ただし、勤務先や役割が変われば、その説明も変わります。

肩書以外にも、判断するときに大切にしていること、得意な進め方、避けたい環境、時間を使いたいことがあります。事実として持っている役割と、自分が選びたい価値観を分けて書き出すと、仕事が変わっても残る部分が見えてきます。

3. 変わらない自分を完成させる必要はない

アイデンティティの確立という言葉から、揺らがない自分を完成させることを想像するかもしれません。しかし、環境や経験が変われば、自分についての理解も変わります。

以前は得意だと思っていたことが合わなくなることも、苦手だと思っていたことが環境次第で使えると分かることもあります。変化したから、それまでの自己理解が全部間違いだったということではありません。

現時点で、自分は何を大切にし、どんな条件なら動きやすいかを説明できれば、次の選択には使えます。

4. 生きる意味は今の条件で置き直せる

自分についての理解が変わるなら、生きる意味も一度で決める必要はありません。仕事を中心に考える時期があっても、後から別のものを優先できます。

まず「自分は何者か」を完成させて、それから人生の意味を決めるという順番でもありません。今分かっている自分の条件で一度選び、経験が増えたら両方を見直します。

生きる意味について悩み始めた時期から考え方が変わるまでの全体は、生きる意味に悩む人に伝えたいことにまとめています。何をしたいのか分からない場合に、実際の選択肢まで落とす方法は自分のやりたいことが見つからないときにどう考えるべきかで扱っています。