サラリーマンは本当に安定している?

よく「サラリーマンは安定しているから」とか言われますが、本当に安定しているんでしょうか。そもそも安定って何なんでしょうか。

そんなことがつらつらと気になったので、実体験を交えて本当に安定なのか考えていこうと思います。

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そもそも何が安定なのか

サラリーマンで安定しているものといえばやっぱり「給料」でしょうか。与えられた仕事をしていれば毎月決まった額がもらえる。そこそこの規模以上の企業であれば、定期的に昇給していって年功序列で給料が上がっていく。だいたいこんなところでしょうか。

まぁ確かに何となくお金の面では安定している気がします。気になることと言えば、物価の変動が貨幣価値の大きな変化が起きたときにどうなるかといったところでしょうか。金融関係は特に詳しい訳ではありませんので、もしかしたら間違っているかもしれませんが。もらえる額は決まっていても、その価値が一定とは限らないですよね。インフレが進めば相対的に給料は下がっていくことになりますし。もちろん、インフレに合わせて給料も上がれば問題ないでしょうが、正直今の時代にそんな対応をしてくれる企業は多くはないでしょう。

一度上げてしまうと下げることが困難になりますから、仮に逆にデフレが進んだときに「デフレなんで給料下げましょう」とはできないでしょうね。給料の額自体は安定していても、外部環境によってその価値が減るということは十分に考えられることですので、サラリーマンの安定性について考えるときには抑えておきたいポイントになるかと思います。

重要なのは、当たり前ですが給料の金額の決定権が一切自分にはない、というところでしょうか。自営業であれば、頑張れば収入を増やすことができますが、サラリーマンは頑張っても変わらないですからね。

給料以外の安定性は?

外部要因で給料の価値が変動するというのはありますが、とりあえず一旦給料面ではサラリーマンはある程度は安定していそうだという前提で話を進めます。

さて、給料の金額以外ではどうでしょうか。定年まで会社勤めができるというところでしょうか。これについては、はっきりもう安定しているとは言えない時代ですね。それこそ安定の象徴でもあったような大企業がどんどん大変なことになってきていますからね。シャープだったり東芝だったり。

詳しくは分かりませんが、この先駆けは山一證券とかそのあたりの時代になったりするんですかね?

他にも社員のコンプライアンス違反で一気に経営が悪化するような場合もありますね。例えば、ベネッセの情報漏洩でしょうか。これって、同じ会社にいるだけのどこの誰とも知らない人に、自分の会社の命運がある種託されてしまっている状態な訳ですよね。つまり自分の人生をまったくの他人の良心に任せてしまっている訳ですよね。

あなたはたまたま道ですれ違っただけの、どこの誰とも分からない人に自分の人生を任せることができますか?出来るわけないですよね。でも「会社勤めだから安定だ」と思っている人は、これと本質的にはまったく同じことをやっている訳ですよね。それって本当に安定と言えるんでしょうか。

サラリーマンはキャリアが不安定

この辺から私の実体験も混ざってくるのですが。まずは不安定の代表格としては「仕事内容を選択できない」というところでしょうか。

私の場合は受託開発をやっているSIerだったからというのも原因かもしれませんが、基本的に仕事の内容を自分で選ぶことはまったくできません。受託した仕事があって、そのときにたまたま自分が空いていればその案件に参加させられるというだけです。そんな状態で自分のキャリアが描けるでしょうか。自分が身に着けたいと思うスキルを得られるでしょうか。

まぁ無理でしょう。私の場合も、一時期人工知能の仕事をやっていたかと思えば、RPAをやったり、人工知能とかまったく関係ないWebアプリの開発に急遽参加させられたりと、自分の意志や希望とは一切関係なく色々な案件をやらされてきました。

つまり自分が定年するまで会社があるという条件が付きでのシステムになってしまっている訳ですね。ずっと会社があるのであれば、自分の思うキャリアを仮に歩めなかったとしても、会社が定年まで面倒を見てくれるわけなので、色々な案件をたらい回しにされるのも受け入れられる訳です。ただ、これからはもう本当に安定している企業なんてものはない訳なので、この部分はこれからはより大きな社会問題となってくるようなレベルでの不安定さとなってくるでしょう。

勤務地も不安定

これは私が適応障害になって休職したことにも関係あることです。サラリーマンの場合、勤務地を自由に選ぶことができません。もちろん対策として、転勤がない会社を選ぶという選択をすることで回避できなくはないですが。

ただ、基本的には会社が持っている人事権はかなり強いものですので、転勤を命じられたら断ることはまず無理です。私も場合は、地元に戻るために関東の会社を辞めて転職したのに、結局入社から1年ほどで関東に転勤させられてしまいました。もう地元にずっといるぞというつもりで転職したのに、また関東に戻されてしまったのは自分の中ではかなり大きな出来事でした。

本当に自分はどこで生きていけばいいのか分からないというように、自分の居場所がよく分からなくなりました。休職して地元に再度戻った今でも、やっぱりその感覚は残ったままです。「休職したからとりあえず地元には戻れたけど、本当にここが自分が生きていく場所なんだろうか」というようなことは、気分が落ち込むたびに考えたりするようになりました。

しかも、私が地元に戻りたいという理由で今の会社に入社したということを、上司は理解しているにも関わらず転勤させられた訳です。会社の人事は正直なところ玉突き人事です。本人の希望とか適正とかはほぼ考慮してくれません。

勤務地を選択する権利が無いっていうのは、お金という面では関係ないかもしれませんが、自分の人生への影響という意味だとかなり不安定だと思います。人間関係や地域社会への帰属意識なんかを根こそぎ奪ってしまうものですからね。

私は経験がありませんが、家族がいて単身赴任になったときなんてホント最悪でしょうね。会社のために自分や家族の人生を犠牲にしているといっても過言ではないでしょう。

それでもサラリーマンは安定ですか?

給料面、生活面からざっと見てきましたが、サラリーマンというのは本当に安定と言えるんでしょうか。これでもやっぱり安定していると思う方もいるかもしれませんし、私は別にそれを否定する気はまったくありません。

何を重要かと思うかは人それぞれですし、確率的に考えて大企業ならそれ程悪いことにはならないだろうというように思う人もいるかと思います。ただ、私自身はやっぱりこれからの時代、サラリーマンというのは不安定になっていく一方な職業なんじゃないかなと感じます。

自分の人生は自分で決めるべきだと思うのに、給料も居住地も仕事内容もキャリアもスキルも、全部人任せにするのってめちゃくちゃ怖くないですかね。もちろん、ある程度のスキルを身に着けるまではサラリーマンをやるというような考えは全然問題ないと思いますし、私自身次の仕事も多分そういう方向性になるんだろうなと思います。

ただ、あくまでも自分の理想とする人生を送るために会社を利用するのであって、自分の人生を預けてしまうようなことはないようにしたいと思います。

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